中高生用芸術鑑賞教室「ジプシーが紡いできたフラメンコ」

~その歴史と共に、今本物との出会いが音楽芸術の扉を開く!~

 

ジプシーたちのリズム遊びから生まれた貧しくても楽しめる音楽芸術「フラメンコ」!

インドで派生し、さまざまな国を経て

スペインに流れ着いたジプシー(スペイン語でヒターノ、ロマ)たちは、

迫害される辛さや

日々の何気ない喜びなどを

手や足で打ち鳴らす彼ら独自のリズム(コンパス)に乗せて歌い上げることで、

貧しくても楽しめる音楽芸術「フラメンコ」を作り上げました。

 

今でも、その地を受け継ぐ一族たちは

近所のバル(小さな飲み屋)や家族の家に集まり、

「見せる」ためのものではなく

「自分たがが楽しむ」ためのフラメンコを紡いでいます。

 

ヒターノが、貧しくても楽しめる独自の音楽芸術として育んできた「フラメンコ」。

実際は、今のような華やかなショーのような形式ではありませんでした。

そのフラメンコの生まれた歴史を紐解きながら、

実際にフラメンコのリズム「コンパス」や手拍子「パルマ」・掛け声「ハレオ」を体験するワークショップを実施し、

その後、プロのフラメンコアーティストによるギター、カンテ(唄)、バイレ(踊り)による、フラメンコパフォーマンスをご鑑賞いただきます。

 

フラメンコはよく、「会話」に例えられます。

ここで言う「会話」とは、「コミュニケーション」の事です。

コロナ禍に、ようやく終止符が見えてきて

コロナ前の日常が戻りつつありますが

マスク生活、直に人と会うことに制約のあった期間が長く続いたために

人間関係に、ひずみが出来ているように思われる昨今、

ギター、カンテ(唄)、バイレ(踊り)がフラメンコというツールを通して、

コミュニケーションをとりながらその場で「フラメンコ」という音楽を作り上げていく、

その過程を実際にご覧いただき、

失われてしまった、人と人とが直に交流を図る大切さ、

仲間と顔を見合わせて一つの作品を作り上げる楽しさを改めて感じていただけたら、と願っております。

 

フラメンコ舞踊家 大野環

 

~企画例~

<1部>40分

★フラメンコ解説&体験ワークショップ★

「フラメンコってどうやって生まれたの」

「ギター・唄・踊りは小さなオーケストラ?」

など、フラメンコについて解説させていただき、

フラメンコで使われる「パルマ」(手拍子)の演奏方法や

観客も参加できる「ハレオ」(掛け声)などを実際にかけてみる

ワークショップを開催します。

 

【フラメンコ解説】20分

フラメンコの生まれた歴史や、実際どのようににジプシーたちがフラメンコを楽しんでいるかなどモニターを使って解説し、

ギター、カンテ(唄)、バイレ(踊り)の役割や

舞台上でどのように一つの音楽を作り上げるのか、

フラメンコを演奏するために必要な要素・ルールについて

実際の演者が楽しく分かりやすく解説していきます。

 

【体験ワークショップ】20分

フラメンコの大事な要素である「パルマ」(手拍子)の方法や、

演奏中に観客も参加できる「ハレオ」(掛け声)を練習して、

ハレオは、2部の公演本番で実際にかけてみましょう!

 

<休憩>

 

<2部>40分

☆プロアーティストによるフラメンコ公演の鑑賞☆

国内で活躍する日本人プロアーティストによるフラメンコ公演をご鑑賞いただきます。

ワークショップで習った「ハレオ」を、ここで実践してみましょう!

最後は、皆さん一緒に簡単な振り付けを踊ってみます。

 

1.セビジャーナス 

スペイン・セビリアで生まれた、春祭りで踊られる華やかな盆踊りです。

2.アレグリアス

「喜び」という意味のフラメンコの曲を、「マントン」という大判のショールを用いて華やかに踊ります。

3.ムシコスソロ

カンテ(唄)とギターのソロを、楽しい解説を交えながらご鑑賞いただきます。

4.シギリージャ

変則的な5拍子のフラメンコの曲を、カスタネットを用いて重厚に踊ります。

5.フラメンコ解説

フラメンコで使われる小物を実際に手にしていただいたり、カスタネットの叩き方を体験していただいたりして頂きます。

6.みんなで踊ろう!

フラメンコの簡単な振り付けを、皆さん一緒にその場で踊ってみます。

7.ブレリア

ジプシーのリズム遊びから生まれた曲を、即興で踊ります。